多彩です。大きく分けて、アレルギータイプと非アレルギータイプになりますが、特に非アレルギータイプについては、通常の検査では特定できないものが多く、たとえ立証できたとしても、特に選択的な治療を行うことはできません。アレルギータイプも、食品添加物に対するアレルギーのことが多いとされ、現代社会では食品添加物を全く摂取しない生活は難しいのが現実です。
以上悲観的な事実を述べましたが、中には原因を特定し、治癒に至った症例もあります。まずアレルギータイプでは、食物アレルギー。考え方としては、シラカンバ花粉症候群・運動誘発性食物依存性蕁麻疹。前者は春の樹木花粉症の原因になるシラカンバ花粉にアレルギーを獲得すると、ラテックス・少なくない食物にも同時にアレルギーが獲得されてしまうというものです。後者は、ただ食しただけでは問題は起きないのに、食後運動をすると誘発されるものです。これらは血液検査のアレルギー検査にて証明できます。次に非アレルギータイプでは慢性甲状腺炎の合併例です。内分泌系の専門医の先生から見ると、慢性甲状腺炎に蕁麻疹が合併し易いとは思われないそうなのですが、皮膚科医としては、意外に多い印象です。こちらも血液検査で証明できます。その他実例は少ないですが、C型肝炎合併例・白血病・悪性リンパ腫を見い出すことがあります。また仮性アレルゲンについてもご紹介しています。これはアレルギー反応ではないのに食物で誘発されるケースです。
残念ながら、当院だからこそという治療法はありません。強いて言えば漢方を使用する場合がある点位でしょうか。
