2014/02/17患者さんにお願いしたいこと その壱

「水虫だと思って」市販ないしは家族に処方された「水虫の薬を塗っているがよくならないので来た。」というケースが少なからずあります。水虫の治療の最善の道筋は、患部より採取した皮膚内に水虫の原因となるカビの菌糸を顕微鏡で確認するか、その皮膚のカビ用の培地で培養してその存在を確認し、その結果を受けて水虫の薬を処方することです。しかしながら水虫の薬を既に用いていらっしゃる場合は、表層のカビが減少してしまうので、実は水虫であったとしても、確認するのに陽性率が低下してしまいます。そもそも水虫の治療にカビの菌糸の確認がどうして必要かと申しますと、当然類似疾患との鑑別も大きな目的ですが、その診察日にはカビが居たという事実が後の治療に大きな影響を与えるのです。一般的に言って水虫の塗り薬は、かなり高い確率でかぶれる傾向があります。よってわたくしの患者さんにもかぶれてしまう方が出てくる訳ですが、この時初診時に菌糸を確認している患者さんには、自信を持って、かぶれの治療を施工後、また新たな水虫の薬を処方することができますが、一方確認がなされていない場合、本当に水虫であるのかわたくし自身確信を持てませんから、かぶれの治療を施工後、再びかぶれてしまうかもしれない水虫の薬を処方することにためらいを覚えてしまうのです。そこで患者さんにお願いしたいのですが、水虫を疑ってご受診なさる場合は、水虫の薬は用いずにいらっしゃるか、既に用いている場合は、最低3日以上塗るのをストップした上でご来院いただきたいのです。

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